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子育て論

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こどもは未来です。希望です。

我田引水になりますが、もし「保育園がなかったら?」今の世、子育てはどうなっているでしょうか。家庭も社会も成り立たなくなり兼ねない存在が保育園の役割です。
保育園の存在意味は、特に最近その位大きくなってきているのです。保護者、一般の人、そして保育園の保育士などで、答えは色々異なるにしても、保育園の存在意義を「保育園という大きなお家の家庭的生活の中で、生きる力を生み出す子供社会」と考えます。

豊かな依存体験を十分に

赤ちゃんは、周囲に対する信頼感を基盤に自立していき、その信頼感なしには、自立が出来ないのです。無力な赤ちゃんは自分では何もできないので大人の、誰かに依存し世話にならなければ生きていくことができません。

ところで、問題は赤ちゃんの期待や欲求に、周りの人が叶えてくれない場合です。自分で出来ない、誰もやってくれない。泣いて訴えて、喚(わめ)いても、欲求を満たしてくれない。あれこれ要求しても親や大人に受け容れられなければ、一種の無力感が漂いつのりかねません。そういう負の初期体験によって、周囲に対する不信感が生じてしまいます。

赤ちゃんには色々な欲求があります。オムツが濡れて気持ちが悪い、取り替えて欲しい。お腹が空いた、オッパイが欲しい。退屈だから相手にしてほしいなどなど。寝入りばな寂しいから側に添い寝してほしい。目が醒めた時、不安に襲われたとき、すぐ側に来てあやして欲しい・・・。

そのような、自分で解決できない不満や不安、不快感を、お母さんや、保育者が自分に代わって解決してくれる、自分の欲求を十分に豊かに叶えてくれたという経験、これが大切です。特に最初の3ヶ月は、子どもの欲求が全て受け容れられて、十分に欲求が全部叶えられる体験が必要です。このように、依存体験を十分にした子どもは自立が早い、これは自分自身に対して自己肯定感の強い子になるからです。

小さいうちから決して躾や我慢強くなどという強制の下では、我慢さなど育つ事はなく、その反対の結果になりかねません。自分に対する無力感が残るだけのことになるからです。

乳幼児期に親や大人など周囲に対する不信感が募ることは、イコール、自分に対する無力感として残りかねません。その反対に、愛情深いお母さんはじめ、大人の豊かな愛着によって周囲に対する信頼感で満たされ、強まるほど、自分に対する自己肯定感を育むことになっていきます。この自信が、自立、自律、自己確立へと繋がっていく大きなエネルギーになるのです。(自己肯定感)

愛された原体験・・・小さな家から大きな家へ

保育園は「大きなおうち」という社会的家庭の考えに支えられて0歳の赤ちゃんから6歳まで6年間も在園し、社会生活の基本を、家族的環境という集団の中で自然に学び育っていきます。

このような愛情の集団「大きなおうち」である保育園で育った子供は、例え、不幸にして、両親が離婚など家庭崩壊のような中に遭ったとしてもたくましく生きる力を育んでいきます。何故なら個別の家庭の崩壊があっても、朝から夕までの保育園という「大きなおうち」の愛で培われた人間への信頼感・自己肯定感という「生きる力」が、その子を救い、励まし続けるからです。これを愛による人間への原初体験と呼びます。保育園時代を超えて、卒園してからも「保育園で愛された原体験」が生きる力が「一生もの」になっていくことを、保育者は知っています。

今、不登校、引きこもり、いじめ問題など教育問題、社会問題となっております。さらにこれらは、少年犯罪等に関わる予備者へと繋がり、社会問題となっております。このケースも幼児期・乳幼児期に「愛された」という原初体験の少ない人が多いというデーターがあります。
事実、保育園卒業者と幼稚園卒園者とを小学校に上がってから、不登校、引きこもり、少年犯罪等で云いますと、幼稚園出身者の子供が多くなっているという統計もあるくらいです。

では保育園卒園者はなぜ非社会的行動をとる子が少ないのでしょうか?

その理由として保育園は、単なる子供を預かるだけの場所としてだけでなく、「ゆりかご」であるべき家庭の延長としての実態・環境を全面的に受け止め、子どもの悩みを己が悩みとして悩み、更には子ども達への未来への希望を託すことのできる「生きる力」を育む場としているからです。

学校や企業社会は「競争と比較」の社会です。ここではタフな人間力を持っていないと生き残れません。このタフな人間力の原点となる、しつけ、マナー、ルール、チームワーク、判断力、忍耐力、協調性などを保育園は「教育」という手法システムで教えるようなことではなく、温かい雰囲気の、大きなお家の兄弟姉妹の中で、見習い教えあい、助け合いという自然体で育まれます。自然体ですから、学校教育型でなく、人間としての人格形成の基礎を無理なく育みながら生きる力となります。就学前の子育ては、学校教育型教育になってはならず、人と人の絆を深める保育園型子育ての大切さを今この時期こそ強調されなければならなく、これが少々の困難があってもキレる子供をつくらない基本です。

なかよし保育園園長 村上光男(むらかみ みつお)

【1938年】秋田県に生まれる。
【1970年】七田眞先生等と新幼児教育推進のため幼児教育の運動に参画。
【1983年】秋田光茂先生、水野茂一先生等と総合幼児教育研究会「総功研」設立。
      「総幼研」会員園数210園を創立者の1人として設立。事務局長に就任(15年間)。
【1986年】なかよし保育園2代目園長に就任、現在に至る。
【1998年】教育学博士号を授与。
【2010年】神学博士(D.M)米国ルーサー・ライス大学より授与。
【2002年】JIJ宣教神学校 牧師科卒業
【2007年】東京神学校 教師科卒業

三つ児の脳 百までも

「子育てに自信がありますか?」と聞かれて、「ハイ」と即座に答えられますか。ヒトの人生には、なすべきことがたくさんありますが、中でも『子育て』は、避けて通れないヒトの人生の一大事業です。でも、子育ては、ヒトだけに固有の事業ではありません。考えてみると、いや考えてみるまでもなく、あらゆる動物は、子育てを営んでいるのです。

-保育園の園長が書いた本-「三つ児の脳 百までも」はじめに-より

園長先生の子育て論

こちらから園長先生が書いた冊子や入園案内のPDFデータをダウンロードして頂けます。
先生の子育て論・教育論に触れて、子育てのことを一緒に考えていきましょう。
※画像をクリックするとPDFファイルが開きます。

・入園案内

・創立50周年 記念誌

・こんにちは!私は赤ちゃん
-神秘・266日の創造物語-

・風の子

・太陽の子
-夏こそ逞しい子が育つ-

・新しいいのちを育む

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